「高齢者はインターネットができない」という偏見を正す

パソコンに取り組むシニア
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マンション管理組合等に居住者専用のホームページを勧めると、よく言われるのは、
「ウチのマンションは高齢者が多いから」
だ。
「高齢者が多いから」「インターネットができない」「ホームページはムリムリ」と言いたいらしい。
弊社の勧めるマンション居住者専用ホームページは、紙ベースの情報伝達と併用するので、インターネットを使わない人がいても別にかまわないのだが、
「高齢者」=「インターネットができない人」という偏見を見逃すわけにはいかない。
以下、反論を展開する。

インターネット人口普及率は83.0%

年齢階層別インターネット普及率
まず、図「年齢階層別インターネット普及率」を見てほしい。これは総務省の『平成28年度版 情報通信白書』から抜粋したものだ。日本の人口約1億2000万人のうち、平成27年時点でインターネットを利用しているのは1億46万人、率にして83.0%。率というのはインターネット人口普及率のことで、60歳未満の年齢層ではいずれも90%以上だが、その後、年齢が上がるにつれ、普及率は下がる傾向がある。とはいえ、社会的に高齢者と言われる65歳以上を見ると、65~69歳までが71.4%、70~79歳までが53.5%、80歳以上は20.2%である。
もし、これが2~7%なら、やはり平均的な高齢者にはインターネットは無理かもと思えてしまうが、実際は20.2~71.4%だ。この数字からは「高齢者」=「インターネットができない人」とはけして断定できないのがおわかりだろう。

みんな最初は、インターネットができなかった

さらに分析をすすめよう。70歳代で「インターネットを利用していない」46.5%の人は「インターネットができない」のだろうか。確かに現時点、現象だけ捉えれば、「インターネットができない」といえなくもない。だが、この人たちは、未来永劫、インターネットができないのだろうか?

日本でインターネットが普及し始めたのは1990年代の終わり、今から20年くらい前だ。そのころ、職場でも急速にパソコンが導入されるようになり、たちまちパソコンなしでは仕事が進まなくなるという事態に陥った。だから、当時のサラリーマンはこぞってパソコンを買い、研鑽を積み、自宅でもインターネットを使いこなすようになった。
そう、現在インターネットを利用している人のうちだれ一人として、生まれながらにして「インターネットができた」人などひとりもいない。皆だれしも初めてインターネットにふれた日があり、その日以来、さまざま失敗を積み重ねながら、インターネットを使いこなすようになったのだ。

今70歳代の人は、当時50歳代だった。すでに退職していた人もいただろう。あるいは当時、専業主婦で、インターネットサービスが貧弱なため、パソコンを使うことにメリットを見い出せなかったという人もいたはずだ。つまり、現在70歳代でインターネットを利用していない人とは、50歳代だったころ、パソコンやインターネットを使う必要がなかったため、使わなかったというケースが考えられる。けして使う能力が欠けているから、使えないのではない。使うきっかけがなかったから、使うメリットがなかったから、使わずにきたのだ。
しかし今は違う。インターネットを利用することで得られるメリットは大きい。さらに、パソコンの価格も低下し、インターネットもずっと利用しやすくなった。

やる気のある人の背中を押そう

インターネット環境を設定し、基本的なパソコン操作を習得すれば、すぐにインターネットを使えるようになる。
インターネットを始めるにあたって最大の壁となるのは、最初の環境設定なのだが、これは1回設定すればいいので、業者に頼めばいい。安価な価格で出張し、1時間もしないうちに、インターネットにつないでくれるだろう。基本的なパソコン操作は本を買って独習してもいいが、2時間くらいのパソコン講習会を受けるという手もある。

高齢になってから、今さらパソコンの習得なんてできるのか?
もちろん、できる。
今のシニアは「高齢者」という言い方が全然似合わないほど元気で、明晰だ。やる気がある人に関しては、あとは少し背中を押せばいい。
弊社では、マンション居住者専用ホームページの導入前に、パソコン講習会を運営者と共催するようにしている。

まとめ

「高齢者はインターネットができない」というのは偏見だ。70歳代の人のうち、53.5%の人がすでにインターネットを利用している。インターネットを今使わないシニアもインターネットを使うきっかけがなかったから、使わないできたとも考えられる。今、インターネットを利用するメリットは大きい。マンション居住者専用ホームページをきっかけに、パソコン講習会などを通して、やる気のある人の背中を押そう。

絵:いらすとや

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