クイズで学ぶ マンション管理組合

クイズで学ぶ マンション管理組合
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もうすぐ新年度。いよいよマンション管理組合の理事会にデビューする人もいるだろう。
そんな新人理事のために、管理組合に関する3択クイズを10問出題する。
回答ボタンを押すと、正解と解説が示される。マンション管理組合について、気軽に学んでほしい。

Q1. 中古マンションを購入・入居して3か月目のあなたは、来期の管理組合の役員になるように言われた。しかし、あなたは管理組合に入った覚えがない。確かに毎月、管理費と修繕積立金は引き落ちているが、そうした管理業務は管理会社がやっているのだと思っていた。次のうち、正しいアドバイスは何か?

A. マンションの管理組合は任意団体なので、希望者だけ加入するものである。加入したことを覚えていないのなら、実際には加入していない可能性が高い。
B. 管理費の徴収などの管理業務を管理会社がやっているのが確認できたら、管理組合の役員になる必要はない。
C. 法律上、分譲マンションにはすべて管理組合があり、区分所有者は全員、自動的に組合員になることになっている。

正解: C

「建物の区分所有等に関する法律」という法律(以下、区分所有法と表す)で、分譲マンションには必ず管理組合があり、区分所有者が自動的に組合員であるとされている。

Q2. じつはマンションの名義人はあなたではなく、単身赴任中の夫だ。なので、管理組合の役員は引き受けられないと断わった。すると、「規約では、同居人でもなれるとなっているので、あなたでかまわない」と言われた。

A. 区分所有法によると、区分所有者以外は管理組合の役員になれないことになっているので、断るべきである。
B. 入居して1年未満の者は管理組合の役員にはなれないので、断ってよい。
C. 理事会の役員はたいてい輪番制なので、マンションに住む限りいずれ順番が回っている。順番が回ってきたとき、快く引き受ける方が他の居住者ともうまくやっていけるので、引き受けたほうがよい。

正解: C

区分所有法では、管理組合の役員の資格を規定していないので、Aは不適切。Bのように、管理組合の役員の資格を「入居して1年以上」とすると、新築マンションの場合、最初の1年は管理組合を立ち上げられないことになる。そのような不合理な規定はないので、Bのアドバイスは不適切。
参考 建物の区分所有等に関する法律

Q3. 次のうち、マンション管理組合の役割は何か?

A. マンションの資産管理
B. マンションの共用部分の維持と管理
C. マンションのコミュニティ形成と居住者同士の親睦

正解: B

管理組合の役割は、Bのマンションの共用部分の維持と管理である。マンションの共用部分の維持・管理が適切に行われれば、Aの資産としてマンションの価値も適切に管理されるともいえるが、それが管理組合の目的ではない。Cのコミュニティづくりは本来自治会の役割である。管理組合によっては自治会の役割も担う場合もあるが、その場合でも、管理費・修繕費と自治会費を別々に徴収するなど、区分して活動をしている。
参考 建物の区分所有等に関する法律

Q4. 管理組合の理事となったあなたは、区分所有者が支払うマンションの管理費が一律なのに気がついた。部屋によって専有面積が大きく違うのにこれでは不公平ではないかと、理事長にきいた。すると「ウチの規約では管理費は一律にすることになっているので、仕方がない」と言われた。次のうち、正しい意見は何か?

A. 区分所有法第十九条では、「各共有者は」、「その持分に応じて、共用部分の負担に任じ」とある。したがって、ただちに管理規約を訂正して、専有面積に応じた管理費を決めなければならない。
B. この場合、区分所有法の規定よりも、個別の管理規約が優先される。したがって、理事長の発言は間違っていない。
C. 専有面積の違いを無視して、一律の管理費を徴収すること自体間違っているので、管理規約に関係なく、早急に是正すべきである。

正解: B

区分所有法第十九条を正確に引用すると、「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。」となっている。
つまり管理規約で「一律」と決めたのなら、それに従わなければならない。よって、Aは誤りで、Bが正しい。また、管理規約は区分所有者全員で守るべき大切な原則なので、たとえ、不適切な規定があったとしても、Cのように規約を無視するのではなく、組合員の総意の元、規約そのものを改正するように努めるべきである。
参考 建物の区分所有等に関する法律

Q5. 管理規約を改正することになった。どのような決議で成立するか?

A. 全区分所有者を対象とした総会を開き、組合員数および議決権総数の4分の3以上の賛成。
B. 全区分所有者を対象とした総会を開き、組合員数および議決権総数の過半数の賛成。
C. 特別理事会を開き、出席理事の過半数の賛成。

正解: A

区分所有法第三十一条では、「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。」となっている。したがってAが正解。
参考 建物の区分所有等に関する法律

Q6. 総会の前日、管理組合の理事であるあなたは委任状を確認していた。と、ある委任状に目が留まった。その委任状の主は派手な独身女性で、その代理人はどうも最近同棲し始めたボーイフレンドらしい。管理規約では、同居人にも代理人の資格を認めているが、この場合、この委任状は有効だろうか?

A. 規約が代理人として同居人を認めているのなら、有効。
B. 規約が代理人として認める同居人とは家族のことである。婚姻関係のない者はこの限りではない。したがって、無効。
C. 婚姻関係がなくても、3か月以上暮らしいてるのなら、居住の実体があるといえ、同居人と認定することができる。しかるに、設問では「最近同棲し始めた」とあるだけで、居住の実体がわからない。本人に聞いて確かめたほうがよい。

正解: A

Q7. 隣同士のXさんとYさんは犬猿の仲で、お互いに相手の違反事項を探しては、理事会を使って攻撃する。昨年は、XさんがYさんの息子が高価なロードバイクをエレベータで自分の部屋まで持ち込んだのを見咎めた。「エレベータが汚れる。いくら高価でも、駐輪場があるのだから駐輪場に止めさせろ」と言うのである。今年はYさんが反撃に出た。Xさんがベランダにプランターを並べて栽培しているベランダ菜園を問題視したのである。「ベランダが土で汚れるし、虫が発生して不潔だから、やめさせろ」というのである。たしかに管理規約ではベランダは共用部分であるが・・・。

A. エレベーターや駐輪場は共有スペースなので、ルールにのっとった利用が必要である。しかし自宅のベランダは共用スペースであっても、区分所有者の専用使用権が認められている。ゆえに、理事会が口をはさむべきではない。
B. ベランダは共有スペースで、非常時に避難路として使われる。したがって、プランターを常設するは好ましくないので、Xさんに撤去するよう指導すべきである。
C. ベランダは共有スペースだが、区分所有者の専用使用権も認められている。避難路が確保されているのであれば問題ない。

正解: C

消防庁告示第3号 特定共同受託等の構造類型を定める件 では、マンションの避難経路として、外階段・内階段、バルコニーや共用廊下が定められている。そして、「隔板等の近傍に避難上支障となる物品を置くことを禁」じている。

Q8.「自宅のガラスがいつの間にかひび割れしたので、管理組合の保険で直してほしい」と言われた。管理規約では、窓ガラスは共用部分であるけれど、区分所有者には専用使用権が認められており、修繕については「通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない」と定められている。念のため、管理会社を通して、保険適用がされるのか聞いてみたが、なかなか返答がない。

A. 規約に「専用使用権を有する者が修理をする」ことになっているのだから、区分所有者が修繕すべきである。
B. なかなか返答が来ないという事実から察すると、保険適用がむずかしいということだろう。理事会は対案を検討すべきである。
C. 理事会は直接保険会社に直接連絡し、給付申請書を提出すべきである。

正解: C

ガラスは太陽熱でひび割れすることもある。その場合、「通常の使用に伴うもの」ではないので、区分所有者は責任を免れる。そういう場合に備えて保険に加入しているので、理事会は保険会社に直接連絡すればよい。保険会社はみずから調査して、保険の適用/不適用を判断する。

Q9. 管理費を滞納している居住者に何とか支払ってもらおうと、督促状を出したが、宛先人不明で戻ってきた。いつの間にか、夜逃げしていたのだ。しばらくして、今度は別人が同じ住戸に引っ越してきた。その住戸は仲介業者を通じて購入したもので、前居住者とは面識がないという。仲介業者も前居住者の新しい連絡先は知らなかった。滞納分はどうすればいいのか?

A. 新しく入居した人に滞納分の支払いを求める。
B. 仲介業者に滞納分の支払いを求める。
C. 滞納した本人が見つからないのであれば、あきらめる。

正解: A

中古マンション購入の際、前主が管理費等を滞納していた場合には、購入者(特定承継人)も前主の滞納金の支払義務を負う。

Q10.ゴミを分別せずに出す者がいる。管理組合では、ゴミを分別して出すように文書を配布したり、張り紙をするなどして周知活動を続けたおかげで、だいぶ改善されたものの、いつも1袋だけ、どうしても分別されていない袋が残る。分別されていないゴミは回収されないため、管理組合の理事であるあなたが、ゴミ袋を開けて分別しなければならない。あなたはすでにキレかかりながら他人のゴミを分別している。と、袋の中から大量のDMが出てきた。宛名を見てあなたの脳裏にゴミの主の顔が浮かぶ。

A. ゴミの主が特定できたのなら、理事会に報告して、管理組合名義で個人あてに是正を求める文書を配布する。
B. あなたが直談判して、他人のゴミを分別するのがいかに不快かをわからせ、今後は絶対に分別するように説得する。
C. ゴミ袋を開けて個人を特定するのはプライバシーの侵害になるので、名指しせず、管理組合として「分別されないゴミは回収されないため、管理組合の役員が分別しております。たいへん困っておりますので、どうぞ、分別してください」という文書を配布する。

正解: A B C

元ネタは、大阪市マンション管理機構のQ&Aの記事である。
同機構は C の回答を支持している。しかしすでに何度も文書の配布をしたにもかかわらず、効果がなかったわけだから、哀願口調にすれば、いいというものでもないだろう。プライバシーを偏重するあまり、ゴミを回収してもらえず、マンションの生活環境が悪化するというリスクを過小評価している。とはいえ、しつこく文書配布を繰り返すのも、ゴミ分別をさせられている役員が納得するのであれば、選択肢として排除しない。管理組合の理事はマンションの住民全体を代表して、ゴミの分別をしている。したがって、Aの管理組合が個別に違反者を指導するのは理にかなった行為と言える。Bを個人が直談判する場合、喧嘩になってしまう可能性はあるものの、本人が強く望むのであれば、禁じることはない。感情的になってこじれることがないよう望むが。ということで、今回は無回答以外、すべてを正解とした。

正解: / 10

いかがだったろうか?
このページの趣旨は、管理組合の理事になったつもりで悩みつつ、、マンション管理に興味と理解を持っていただくことが目的だ。
どうせ、出題者はマンション管理士でもない素人なんだろッ! おこがましい!! とご立腹の方もいらっしゃるかもしれないが。勘弁していただきたい。なお、正解とした解が誤答の場合は、本ページのコメント欄で指摘していただきたい。
最後に、参考にさせていただいたホームページの全執筆者に謝意を表す。
また、イラストはいらすとやさんの巧みなイラストを使わせていただいた。ありがとう。

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